「倉敷ガラス 小谷栄次展」は昨日で終了いたしました。
ご来店くださり、またブログやfacebookをみていただきまして、ありがとうございました。
次回の展示会は、京都の倉日用商店さん企画展、
「柳宗悦が選ばなかったもの vol.3 茶わん」です。
6月28日(土)〜7月1日(火)の4日間のみ開催いたします。是非、お越しください。
倉日用商店 企画展柳宗悦が選ばなかったもの vol.3 茶わん
Japanese ricebowls design 1900-19702014年6月28日(土)〜7月1日(火)日本の日用品としての陶磁器の7割を生産していた大窯業地、愛知県瀬戸と佐賀県有田。
しかし民芸運動の視点からは、その地の「雑器」必ずしも重視されていないように思えます。
柳宗悦の著書「手仕事の日本」においても、両地の仕事に対してはいくつかの厳しい言葉で批評がなされています。
無数の行程に細分化され、零細家内工業の集積のもとで大量に生産される「工業製品」としての皿や茶碗は、伝統の手仕事の評価という柳の美学にはなじまなかったのでしょう。
しかし、この地で生産された器は、日本の家庭や食堂や旅館などで実際に数多く使われてきたものです。
業務用にも使用されるため、形や大きさはおそらく問屋との相談により画一化され、絵付けについては窯屋の主人が呉服や傘や絵画を参考に、見よう見まねで考え出した「流行」に基づいたデザインです。
この、ある意味「素人」が生み出したダイナミックかつ少々低俗な、デザインとも呼べないようなデザインの数々は逆説的に、高尚と下世話が入り混じった日本人のナマの生活の匂いを、あるいは明治から昭和までの70年間で6千万の人口が1億2千万に倍加した文字通りの成長のエネルギーを、美しい伝統工芸品とはまた異なるベクトルで立体的に知覚することが出来るのではないでしょうか。
今回展示・販売いたします茶椀は、明治、大正、昭和初期および中期に、主に瀬戸あるいは有田で生産された品物です。各時代の傾向、流行が見て取れ、生活文化の資料としてもご覧にいただけると思います。
品物は、主に京都において死蔵品を買い戻したものであり、一部を除きいずれも未使用・新品です。
是非ご笑覧いただき、(夜店でお土産を買うように)おひとつお買い上げいただければ何十年もいき遅れた茶碗たちも喜ぶと思います。
何卒宜しくお願い致します。(倉日用商店)